こんにちは、小児科ナースしてます。さっそくですが、看護師の仕事の中に「薬の管理」という大切な業務があります。
小児科では、親と協力してお薬管理しています。でも
ということが頻繁に起こります。
でも、看護師として思うのは、親子でストレス貯めてまで飲まなくていい薬と、ぜったーーーいに飲ませないといけない薬があるので、まずそこからご紹介。
次に、子供へ上手なお薬の飲ませ方について説明します。
もし、入院中に処方で以下に説明する「無理に飲まなくていい薬」が処方された場合、不要だと思うのなら「いりません」と主治医へ伝えてもいいと思います。
絶対に飲む薬
抗生剤は、菌を殺すお薬。最後まで飲みきらないと、耐性菌ができることが問題。抗生剤は飲みきるまでがんばりましょう。
ステロイド薬も一度内服したり、入院中に点滴から投与していた場合もあります。点滴が終了しても、少しづつ量を減らす必要のある薬。一気にやめてしまうと、副作用が出現します。医師の指示に従って、お薬のみましょう。
喘息予防薬は、そのまま予防薬。喘息の度合いにもよりますが、重篤な発作を起こした過去がある場合は、予防薬は飲んだほうが良いです。「飲み忘れによる発作」をおこして救急受診してくる子がたまにいます。子供が小さいときは、親の責任のような感覚に陥り落ち込むと思います。
喘息発作は本当にきついです。小児喘息は大人になれば治癒することもあります。それまで忘れずに内服できるようがんばってください。
ほかの2つも、治療・予防に大切なお薬。今回は小児を主に記事にしてますよ~。
無理に飲まなくていいい薬
痰・咳止め
とてもとても子供が嫌がるようならあげなくていいです!看護師の私がこんなこと言っちゃいけませんがw。
痰の薬は、痰を出しやすくするもの。粘り気がすごいのなら、水分を多く取ったり、部屋の加湿で補えます。
咳止めは、咳がひどくて体力的にキツいのなら飲んでもいいと思いますが、それでも咳が続いたからと死ぬわけではないし・・。乳児より小さい赤ちゃんは、むしろ咳したほうが肺も強くなるし、咳のおかげで痰が動いたりするので良い。
百日咳や結核、マイコプラズマ等の咳がひどい病気をのぞき、必ず飲むべき薬ではありません。
それでも、どうしても飲ませたいのなら親の説明力にかかっていると思います。
「薬でキツいのが治るよ」「咳が止まるよ」と説明できるか、なにがなんでも飲みなさい「あなたのためよ!」と強引になるか。子供は意外と意味が分かれば協力的になってくれるものです。
次に、整腸剤
バナナやヨーグルト、果物・野菜など、バランスのよい食生活ができていたらOK!
飲むなら飲んでもいいし、薬嫌いで整腸剤飲むために親子でストレスになるなら・・・・飲まなくて良いです。
ただし、抗生剤と一緒に整腸剤が処方されることがあります。これは、抗生剤を飲むと便がゆるくなりやすいからです。下痢やひどい腹痛じゃないなら、便がゆるいぐらいは許せるのでは?w
あまりにひどい腹痛、頻回な下痢、嘔吐などの症状があるなら、そもそも抗生剤が合わないと思うので、主治医に相談したほうがいいですね。
お薬を出さないと
「何で薬がないんですか?」とクレームになることがあるため、小児科医もそういったトラブルをなくしたいから。できるだけ母の要望に応えるために、処方している場合もあるのです。
薬の飲ませ方
こういった質問はよくあります。
年齢によって多少飲み方が変わってくるので、年齢別で飲み方を変えるオススメを紹介。
乳児
ポイントは、乳首を数回吸えば飲めるような限りなく少ない量で溶くことです。たまに、いつも飲んでる量140mlのミルクにお薬混ぜっちゃってることがあります。
そんなことしちゃうと、ミルクを全部飲まないといけないことになりますね。ただでさえ体調不良のときはミルクの量が減りますのでご注意。
少ないお湯・お水で練って、団子状にします。それを頬の内側にペタリ。
手は清潔にします。また頬の内側に貼って終わりではなく、少しずつ解けて飲めているかをきちんと確認。
私にとっては一番良いと思われるほうほうですが、団子にするのが難しい。薬の量によっては、ほんとに微量のお水で溶くので、実践あるのみ!試してみてください。
味が濃くて、甘いものが良いとされています。
コンデンスミルク
チョコアイス
ゼリーやプリンでコーティング
苦い抗生剤にも対応する「お薬飲めたね」というゼリーもあります
3~4歳以上
この辺から、お薬飲める子・飲めない子に分かれてきます。
飲めない子に必要なのは、まずは親の説明力。ここで、「あなたのため!」と怒るのは無意味。簡単な言葉だと理解できるようになりますので、丁寧に説明します。
それでも無理なら、主治医に相談し内服の形態を変えて挑戦。粉・粒・カプセル・座薬・・・
全年齢
どんなにやさしく説明しても、食べ物飲み物に混ぜても無理!
こんなときは、ごっこ遊びでお薬内服!
親も何か薬っぽいもの(ビタミンとか)を準備して、ごっこ遊びの中でお互いに飲み合います。
さいごに
お薬の飲ませたいのは治したいからこそ。何で分かってくれないの!」とイライラしますね
でもイライラが子供に伝わってしまうと逆効果。
子供に薬をあげるときに、この方法で100%飲める!という方法はありません。
前回はうまく言ったけど、今回うまくいかないこともあります。試行錯誤している親の様子はきっと子供はみていますよ!
大切なお子さんと楽しく生活するために、無理に飲まなくていい薬なら無理せず飲まさなくれていい、と考えるのも大切。先生は処方するだけなんですから。