ついに看護師3年目になったあんこです。今日も一緒に勉強しましょう♪
先日の夜勤のことです。準夜バイタル時に熱発している高齢者・・。そのお方は、蜂窩織炎で入院4日目。発熱もおさまりつつあったのに急な熱発。やはり指示には「38度以上で血液培養2セット提出」とありました。汗汗
実は大きな声では言えませんが、3年目にして1人で血培とるの、はじめてなんですぅ〜〜‼️(助けてぇ〜w)
その場はどうにか血培2セット取ったものの・・・手技はあってたか?痛い思いをさせてコンタミだったら可哀想。(コンタミは後ほど説明します)
手順は大丈夫だったか、ちゃんと検査値はでるかな?など、その日の夜勤はなんとも微妙な気持ちで過ごし、それから3〜4日間も血培陽性の報告がこないかとドキドキして過ごしました。
看護学生時代は実際に行うことはないと思います・・なのに、なのに!現場に出た途端知ってるものと思われることあり。ひどい病棟では「今忙しいから1人でやってって。」と新人看護師さんが1人で行うこともあるっちゃある。
そこで今回は、血液培養採取時にしっておいて欲しいこと、気をつけることを説明したいと思います。
急な発熱に「血液培養取って!」て言われてもこれで大丈夫✨胸張って血液培養とっちゃいましょ〜‼️
血液培養の基礎知識
血液培養検査を行う目的については、他サイトなどで詳しく説明されていますので省きます。今回はこんなお方向け⇩
実は「苦手」なのではなく「知識不足からくる手技の曖昧さ」が苦手意識を大きくさせてしまっているのです。
今回はそんな苦手意識をもつ私のような看護師さんが、はりきって血培が採れるようになることを目指したいと思います。なので、これだけは注意して❗️こんなことを知っているとキチンとした手技できるよ❗️という部分について記事にしています✨
2本で1セットは世界共通
血液培養のボトルには嫌気性菌用と好気性菌用があって、その2本で1セットとして考えられています。
好気性菌は生きるために酸素を利用する菌で、逆に嫌気性菌は酸素が不要な菌のこと。
ここは覚えなくていいですが、参考までこんな菌を培養します。
空気がなくてもあっても、生きれる強い菌もいます。
2セット必要の理由
1回の検査に対し2セット提出するのが一般的。ということは、通常1回の検査に必要なボトルは合計4本となるわけ。
理由は、もし陽性反応が出た場合に皮膚常在細菌なのかを鑑別するためにです。
どんなに丁寧に消毒しても、汗腺や皮脂腺のなかに存在する細菌を除去するのは困難で、どうして少量は含まれてしまうことがあります。2カ所で同じ細菌が汚染する確率は減りますので場所を変えて採血を行い、2セットのうち1セットに皮膚の常在細菌と考えられる細菌で陽性になった場合には、採血時の汚染だと判断できるというわけです。
ということで、血液培養は2セットということが世界でも常識となっています。
採血がかなり困難、抹消が締まってしまって採血できない、など状態が重篤な状況でない限り、通常は血培は2セット❣️だということを覚えておきましょう。
取るタイミング
- 菌血症が疑われる
- 敗血症の可能性がある
- 発熱がある、悪寒戦慄がある
- 抗菌薬投与前、変更前などの治療の効果を判定したいとき
一般的には上記のような感じで血液培養検査を行います。
私の場合、発熱時に血液培養を取ることが多いのですが、タイミングで1番いいのは熱上昇時といわれています。しかし気づいたとき既に熱が上がりきってることも多い。今回の私のように。汗
熱が完全に上がりきってしまうと菌が多少減ってしまうこともあることからそう言われています。なかには重症の敗血症の場合、低体温になることもあるので敗血症=高体温ではないということを肝に命じ、意識レベルや血圧などをしっかり把握することも大切です。
困ったときは1番近くの先輩相談するか、主治医へ報告するのです❗️(^○^)
手技
必要物品
必要物品はこちら⇩
トレイ、処置用シーツ、採血枕、駆血帯、、針、シリンジ、アルコール綿、血液培養ボトル2セット(4本)、手袋(動脈のときは滅菌手袋)、消毒用ポピドンヨード(またはそれに匹敵する消毒剤)、針捨てボックス、止血用物品
一般の採血に加え準備するものは、滅菌手袋、血液培養ボトル、ポピドンヨード、といったとこです。そう考えてみると、普段に比べ物品はそう多くはないよね。
そして血液培養採取の時に、手技で特に気をつけるべきとこはコンタミネーション(コンタミ)の確率を下げること。最初に説明しましたが、もう一度言いたいぐらいここは重要。
コンタミとは・・患者の血液中に存在しない細菌が検体採取中に培養 ボトルに混入し、その中で増殖すること。引用/東京医科大学病院 感染症科
抗菌薬の選択、不適切な抗菌薬投与、治療期間の延長など、患者さんに不要な治療をしてしまうこともあり、医療費増大にもなるのでコンタミには十分気をつけましょう!
採血部位
採血部位は両腕を第一選択にあげます!既往に乳がんがあったり、腕が欠損しているなどの理由で両上肢で採血できないこともありますね。
そうすると同じ腕でも採血可能ですが、その場合は血管を変えて行います。例えば、1セットは右腕の肘正中皮静脈。もう1セットも右腕ですが、橈側皮静脈という風に場所を変えます。
ここでは、患者さんに少なくとも2回は穿刺することになるという説明を事前にしておくことをおすすめします。
1セットの検査が終わったところでもう1回となると、「失敗したの?」「注射が上手な看護師を呼んできて」など怒り出す方もいらっしゃいますので、最初の説明は大事です。
時と場合によりますが、1セットのみ提出することもまれにあります。例えば、血管がない!など採血がかなり困難なとき。
今のところ私は1セットのみの提出はみたことがありません。なのでそこまで多いことではないのかな〜と思います。私が採血ができない場合、その上の先輩看護師がきて採血します。それでもできなければ、更にその上の看護師が来ますw。そしてどこからでも採血しちゃいます。
また採血部位で鼠径部は可能な限り避けたほうがいいと言われています。というのは鼠径部はコンタミ率が高いという研究結果が出てるからです。しかし、うちの病院では入院時に医師による血液培養検査で、鼠径部率高い・・。しっかり消毒と清潔操作ができているなら大丈夫ということでしょう。
消毒方法
この4つはうちの病院にある消毒剤なのですが、(ヨードチンキはないかも)施行者によって消毒方法も様々。あの人がそうしていたから〜と右に習え方式だといつか失敗してしまいます。
血液培養採取の時は一般的な採血とは違って、血液内にいる菌を増やす(培養)わけですから、皮膚の常在菌がちょっと混入してしまうだけで今後の治療に大な影響を与えてしまいます。それぞれの消毒効能を知っておき自己で取捨選択できるのが1番いい方法なのではないでしょうか。
アルコール綿で消毒後はすぐに穿刺が可能。ただ普通の採血はだいたいアルコールだけですが、血液培養となるとそれでは消毒不足のためアル綿+ポピドンヨードがベター。
アル綿だけでいくのは、ベテランさんかよほど清潔操作に自信のある方です。
ヨードチンキは現在使っていないことが多いとおもうのですが、ポピドンヨードの説明のために載せてみました。初めはヨードチンキを使用していたのですが、改良されてポピドンヨードという使い勝手の良いものができたそう。
消毒効果としては良いのですが、 何個か知っておくことがあります。それは揮発すると消毒効果を出すので、消毒後乾くまで待たなければいけないということ。また、汚れていたら浸透せず消毒効果を発揮できないためある綿でゴシゴシ消毒したあと、ポピドンヨードという順番。
これを知らずに、ポピドンヨードだけで消毒して乾かない前に穿刺しちゃう方もいらっしゃるので注意です。
ただやる側としては、乾くまで待つことは焦らなくていいってことだし、私はこの消毒方で血液培養とります。
最後にクロルヘキシジンですが・・めっちゃ良い。ただコストが高いので置いてない施設や、手術の時だけ使用。など用途場面で決められていることもあるはず。それさえなければ、抜群の消毒剤です。
おっと!ここで忘れがちですが、血液培養ボトルのゴム栓も消毒が必要で☺️血培ボトルのキャップを開けるとゴム栓が出てきますね。新しいから清潔だと思われがちですが、実は表面には菌が付いてます。
血液を無菌で採取できても、最後にゴム栓と共に菌が混入するという悲しい結果は避けたい❗️それを避ける方法が消毒にあり‼️
ゴム栓はアル綿でOK。もしくはポピドンヨードでもOKなのですが、その場合はしっかり乾かないと意味がありませんので穿刺する前に消毒を行います。穿刺している間に乾きます。
ボトル順番と採血量
「俺(オレンジ)が先」と覚えてください。
オレンジのボトルは嫌気性細菌の培養ボトル。空気に触れると菌が死んでしまいます。後に入れた場合、シリンジの最後に残った空気までも入ってしまい嫌気性細菌が死んじゃいます。なので血液培養の場合は、嫌気性細菌を生かすために空気を入れません❗️
続いて、好気性培養ボトルに入れます。通常はボトル1本に対し血液10cc入れます。2セットで合計40cc必要💉
(40ccって多いように思えますが、ヤクルト1本が80ccなのでその半分量です。以外と少ないでしょ?☺️)
最適量を入れることで菌の検出率があがりますので、しっかり入れたいところ。採血でバンバン血が引ける患者さんは有難いですけど、そんな患者ばかりじゃない。
ってときは好気性培養ボトルから入れます・・ということが聞かれます。というのは、ほとんどの菌は好気性細菌らしい。そして嫌気性菌の血流感染は少ないという研究結果がありますが、私はそれを推奨しません。w
なぜなら、ほんのわずかな確率をかけて嫌気性菌がいないと断言できないからです。嫌気性菌の中にも重篤な敗血症を起こす菌もいます。もしも血液量が少ないのであれば、通常1本に10ccずつ入れますが、時と場合によっては1本に5〜8ccずつでも分けて、好気性のほうをやや多めに入れる方がいいと思います。
通常は血培2セットで血液40cc必要ですが、1本に5〜8ccなら25〜32cc前後でどうにか頑張れますでしょうか・・?
実際に採血が難しい患者さんの場合で、1本5ccずつ入れて2セット(合計20cc)で検査室へ提出したこともあり。少なすぎでしたかね😅
ここは臨機応変な対応でお願いします!✨
豆知識
- 採血が終わって針を抜くときは、あるコール綿が針に触れないように注意しながら抜いて止血します。
- 針は交換せず、穿刺したままの針で血培ボトルに入れてOK。昔は針交換することが推奨されていたようですが、現在はこの行為は針刺しリスクが高くなる、また針を交換してもしなくても菌の検出率は変わらなかったそう。
- 血液培養ボトルに血液を入れたら軽く転倒混和。固まったりするわけではないので、培養液と馴染ませる程度でOK。
- 血液培養の採取の時のシリンジは強く引いてもOK。要するに菌を培養するものなので、溶血してもいいっちゃいいってわけ。w
- 小児用血培ボトルは好気性菌用ボトルです。嫌気性菌の可能性がある場合は成人で使用するいつもの嫌気性ボトルに入れます。
- 小児用血培ボトルは最低2mlあれば良いと言われています。
まとめ
どうでしたか。血液培養は入院時ルーチンでとられていることも多く救急外来看護師は慣れているかもしれませんが、病棟の新人看護師や私のように小児科にいると慣れない大人の血液培養を突然採ってといわれてもビビるばかりです。
清潔操作や、ボトルに入れる量・順番さえ知っていれば採血するのとほとんど変わりません。過度な緊張はせず、気をつける部分だけ注意してもらって挑んでいけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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