終末期患者さんを受け持ったある日のこと。
もくじ
芯の通ったぶれない行動目標を立てるつもりが
<h3ぶれぶれの私の行動が浮き彫りになった失敗の目標。
学生が次の日の行動目標を立てるのは前日。前日までの様子アセスメントし、次の日の行動を考えます。
私の受け持ち患者さんは、がんの末期。いわゆる終末期なので、状態安定・・・というか今のところ、日々変わらず、といった経過をしていました。前日までの状態をみて、夜も眠らず目標を立て、よし!いざ病棟へ。
しかし、この日、私の受け持ち患者さん・・・いつもと違う様子。発熱あり、ちょっと苦しそう。
様態が悪かったので、その日の「行動目標」をまるっきり変更し、新しく立て直ししようと考えたところ、担当看護師に言われました。
担当看護師:「何故、この行動目標をすぐに変えるの?」
私:「状態が悪そうなので・・・。(今日の行動目標は、喋れるのを想定してきた、でも今日は喋れなさそうだから。)」
と言いたいけど言えず。黙り込む私。
担当看護師:「変える根拠は?」
私:「あ~・・え~と・・。(え?変えなくていいってこと?)」
担当看護師:「想定内で動きなさい。」
私:「・・・。(まじ?!)」
看護にはすべてにおいて《予測》が大切。と教えていただきました。
生きている人とか関わるんだから、しかも終末期。何が起こってもおかしくない。
当たり前のように状態が昨日と変わってて当然。
それも想定内としての行動目標を立てるべきでした・・。でも、でも、言わせてください!!経験の浅い私には毎日が想定外のことばかり。
怠けて行動目標を書いたわけでもなく、ガチで予測不可能じゃ~~い!!
どうしてぶれぶれの行動目標になっちゃうの?
そもそも、その日の行動目標は妥当だったのか?
まるっきり変えてしまうということは・・・私はいったい受け持ち患者さんの何がしたくて、何を知りたくて、何を達成したかったのでしょうか。
本当に受け持ち患者さんのことを思っての目標でしょうか?
答えは【いいえ。】です。
【私の】行動目標は、《私の》目標達成が先走りした私のだけために作られたものでした。
それなので、患者の状態が変わったときに対応できなくなってしまうのです。
行動目標の立てるとき気をつけること。
ステップ1・個別性を大事にする。
その人(受け持ち患者のこと)をしっかり観察してみてください。
今困っていることは?苦しんでいることは?痛みが激しい?
そうだと思われること。改善したいこと。
患者さんが今後どうなって欲しいかを考えるとわかりやすいです。
ステップ2・自分にできることを探す。
何ができる?何ができそう?
お話相手?お散歩?足浴・・移動の介助。痛みの軽減。
この人が目標に向かって進めるように、もしくは目標に近づけるように私が行動することが私たちの役目です。
目標の主語は患者さんです。
私の目標達成ではなく《患者さんの目標》が先。
それに向かって《私の行動目標》を立てるのです!
私の失敗事例を紹介します。
2月0日の行動目標 「終末期の患者さんの生活背景を知る。」
違和感あります~。汗
さて私の行動目標ですが、患者にとってどうでしょう・・。
終末期で痛い苦しいという状態の中で、突然の学生に「以前の職業は?」「趣味はなんですか?」「家族構成は?」なんて聞かれたら・・・。
嫌になりそう。
根拠が無くて、私のただの自己満足。
この行動目標を達成して、私は何を知りたくて、何に繋げて、どんな看護をしたい。
そこまで言えるなら大丈夫?だったかもしれません。
しかし、私はただ情報を沢山取って記録に書いて・・。患者さんを知ったつもり・・・。
という安易な考えだったのです。
(患者さん本当にすいません。泣)
こういった行動目標は立てないよ~に。
さいごに
熱く語っていただいた看護師さんのおかげで、その日私は患者さんを苦しめることなく終わることができました。
根拠を持ち患者さんのことを想うって大切ですね。
芯の通ったぶれない行動目標は、患者を思う気持ちから始まります。